1995年『オセロー』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
演出:栗山民也
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | オセロー |
鮫島由美子 | デズデモーナ |
村井国夫 | イアーゴー |
勝部演之 | ロドビーゴー |
佐古正人 | キャシオー |
後藤加代 | エミリア |
渕野俊太 | ロダリーゴー |
岩崎良美 | ビアンカ |
企画・製作:幹の会+安澤事務所
公演期間:
主催:
おそらく、世界で最も多くの作品が上演されているイギリスが誇る劇作家、ウィリアム・シェイクスピア(1564~1616)。52年の生涯に、戯曲だけでも「史劇」「悲劇」「喜劇」など、38本の作品を遺しました。その中で「四大悲劇」と言われて今も人気が高い作品が『ハムレット』、『マクベス』、『オセロー』、『リア王』です。
第一回公演に選んだ『オセロー』は、ムーア人の軍人であるオセローが、妻・デズデモーナとの愛に生きる中、オセローの旗手でありながら、オセローを良く思わないイアーゴーの計略に陥ります。嫉妬に狂ったオセローは、、怒り、苦しんだ挙句に自らの手で妻のデズデモーナを殺します。しかし、妻は潔白だったという真実を知ったオセローは、デズデモーナに口づけをしながら、自らも死を選びます。
英雄のプライドと妻に対する愛情、嘘を信じてしまったことから起きる苦しみ。「四大悲劇」の中でも人物の構造や思考がわかりやすいとされる作品で、鮫島由美子のデズデモーナ、村井国夫のイアーゴー、勝部演之のブラバンショーの適役を得て、力の漲る中で繊細な感情表現が話題になり、スタートから高い評価を得た作品でした。
栗山民也(演出家)
1996年『メジャー フォー メジャー』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
演出:栗山民也
出演:
平幹二朗・松橋登・佐古正人・渕野俊太・磯辺勉・たかお鷹・花王おさむ・橋紀恵・有田麻里・梅沢昌代ほか
企画・製作:幹の会+安澤事務所
公演期間:
主催:
日本ではタイトルを『尺には尺を』と訳すケースが多いようです。演劇人の中では、さらに縮めて『尺尺』という(?)略称もあります。主なテーマは、「目には目を」という諺と同じ意味合いでしょうか。
シェイクスピア作品の中では「喜劇」に分類されますが、扱っているテーマは、恋愛はもとより慈悲や正義、人間のプライド、嫉妬、狡猾さなど、我々に身近な感情の交錯です。だからこそ、今まで多くの観客に受け入れられて来たのでしょう。
ウィーンを舞台に、「性道徳」をめぐって多くの人がそれぞれの思惑で入り乱れ、次々に問題を起こすこの作品、平幹二朗、松橋登、梅沢昌代らの息の合った台詞のやり取りが客席を沸かせました。芝居、特にコメディは「間」が命とも言われます。ストップウォッチでは測れない役者同士の「イキ」がぴたりと合った時に、芝居の面白さが活きる、そんな作品の一つでした。
ご参考までに。日本で最初にシェイクスピアの作品を全訳した坪内逍遥の翻訳台本が上演されたのは1918年、約100年前のことで、その時のタイトルは『以尺報尺』。時代を感じますね。
1997年『リア王』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
演出:栗山民也
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | リア |
剣 幸 | リーガン |
片岡京子 | コーディーリア |
後藤加代 | ゴネリル |
中原ひとみ | 道化 |
西本裕行 | グロスター伯爵 |
勝部演之 | ケント伯爵 |
佐古正人 | コンウォール公爵 |
田代隆秀 | オールバニ公爵 |
渕野俊太 | エドガー |
隆 大介 | エドマンド |
丹羽貞仁 | フランス王・他 |
高橋耕次郎 | オズワルド |
廣田高志 | バーガンディ公爵 |
東冨士郎 | 兵士 |
岡田典丈 | 兵士 |
斉藤 裕 | 兵士 |
田中 顕 | 楽士 |
企画・製作:幹の会+安澤事務所
公演期間:1997年1月~3月
主催:
幹の会+安澤事務所/新潟演劇鑑賞会/宇都宮演劇鑑賞会/前橋労演/高崎演劇鑑賞会/いせさき演劇鑑賞会/長岡市民劇場/虹の演劇鑑賞会/沼田演劇をみる会/秩父演劇鑑賞会/柏崎芸術協会/上越市民劇場/名古屋演劇鑑賞会/津演劇鑑賞会/浜松演劇鑑賞協議会/演劇をみる会「あさかわ」/ちば演劇を見る会/埼玉市民劇場/板橋演劇鑑賞会/大宮演劇鑑賞会/所沢演劇をみる会/ふなばし演劇鑑賞会/松戸演劇鑑賞会/多摩えんかん/ねりま演劇を観る会/町田演劇鑑賞会/三多摩演劇を観る会/シアター・ドラマシティ
シェイクスピアの「四大悲劇」の中でも、主人公が最も「高齢」で、最も孤独な作品です。広大な領地を持つリアには、三人の娘がいます。どのように領地などの財産を分割するか話し合った結果、狡猾で口の巧い長女のゴネリルと次女のリーガンに騙され、多くの土地を与えますが、真の優しさゆえにお世辞の言えない末娘のコーディリアには腹を立て、勘当してしまいます。
リアは、多くの財産を与えた長女・次女を頼りますが、以前とは裏腹の剣もほろろの態度で断られ、結局は勘当した末娘のコーディリアに助けられるものの、娘は殺されてしまい、遺体となった娘に真の愛情を感じ、悲嘆にくれ絶叫を残して世を去ります。リアの傍らを歩く「道化」の明るさが、世の真実を突き、リアの哀しみを一層深いものにしています。
この作品、単なるお金持ちの悲劇、ではなく、権勢を誇った者が娘たちの嘘も見破ることができず、甘言に乗せられてしまったこと、親子といえども、そこに横たわる愛情にお金などの財産が関わると人間が変わってしまうこと、真の孤独とは信頼できる人を持てないこと、など、現代にそのまま通じるテーマをいくつも抱えています。これが、一般庶民の出来事であればまだしも、「王」という立場の人間でさえどうなのだ、というところにこの作品の「眼目」があります。
シェイクスピアは考えもしなかったでしょうが、現代の日本の「超高齢化社会」の側面を予見したかのような作品で、観客席では何とも複雑な感覚も加わり、「他人事ではない」との共鳴ともなりました。荒野をさすらう平幹二朗のリアの迫力は凄まじく、圧倒的な力で客席を魅了しました。劇場のはしばしまで響く獣の咆哮にも似た台詞は、平幹二朗の面目躍如といったところでしょう。
この時、平幹二朗64歳。役者としてもこの役にはぴったりの年齢であったとも言えますが、この舞台の好評が、のちの再演につながりました。
1997年『親鸞 大いなるみ手に抱かれて』
原作・脚本:白石 瞭
演出:鵜山 仁
出演(配役):
平幹二朗 親鸞
企画・製作:幹の会+安澤事務所
公演期間:
主催:
「幹の会」スタート三年目にして、一年に二本の作品を上演する、そして一人芝居に挑戦、という点でも忘れ難い公演です。
浄土真宗の開祖として高名な親鸞(1173~1263)は、浄土宗を開いた法然上人(1133~1212)の弟子として仏教を学ました。その傍ら、人間としての悩みに苦しみ、恋愛もし、子供とも絶縁をするという波乱に満ちた90年の生涯を送った鎌倉仏教の中心人物です。時に、若い頃には恋愛に苦しみ、「僧侶の身で恋愛をしても許されるのか」という苦悩を師の法然に相談しています。
そんな波乱に満ちた生涯を、「えらい人のお話」ではなく、「仏教者といえども、一人の人間として生きる苦しみは同じなのだ」という視点で捉え、描いた作品を、一人語りで表現することは大きな挑戦でした。
演劇の中には「一人芝居」のジャンルで多彩な作品があります。男優用、女優用、海外、国内と、意外にバリエーションに富んだ作品が豊富に書かれています。作品によっては、一人ではなく複数の登場人物を演じ分ける作品や、2時間以上にわたって、「被告」としての陳述を述べる芝居もあります。
どの作品も舞台の上でたった一人、共演者のいない中での演技や語りは高度な技術を必要とします。台詞を忘れても、助けてくれる相手役はいませんし、観客の視線はたった一人に集中します。それを逸らさずに幕切れまでドラマの中に引っ張り込んでしまう演技や台詞術を持っていなくては、観客を感動させることはできません。
また、鎌倉時代の仏教、という特定のジャンルですので、我々の日常会話にはない言葉も登場します。1時間15分の間、観客の視線や神経をただ一点、自分だけに引き付けたまま舞台を演じることを見事にやりおおせたことで、新たな役者の抽斗が増えたことでしょう。
この貪欲さが、平幹二朗という役者を最後まで現役でいさせる原動力になったのだ、とも言えるでしょう。
1998年『十二夜』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
演出:鵜山 仁
出演 | (配役) |
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平幹二朗 | マルヴォーリオ |
麻乃佳世 | ヴァイオラ |
片岡京子 | オリヴィア |
丹羽貞仁 | セバスチャン |
松橋 登 | オーシーノー |
東冨士郎 | ヴァレンタイン/神父 |
藤川三郎 | 役人1 |
廣田高志 | アントニーオ |
水戸野雅代 | 侍女 |
岡田典丈 | キューリオ/役人2 |
ミケランジェロ・タイラー | 船長 |
高橋耕次郎 | サー・アンドルー |
佐古正人 | サー・トービー |
駒田はじめ | フェステ |
後藤加代 | マライア |
坂本長利 | フェービアン |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:1998年2月~4月
主催:
幹の会+リリック/生活協同組合おおさかパルコープ・コープシアター大阪/(株)シアタードラマシティ/(財)尾鷲文化振興会/槙野町・槙野町教育委員会/神奈川県立青少年センター/沖縄タイムス社/多気町教育委員会/(財)岐阜県産業文化振興事業団/黒部市国際文化センター/コープさっぽろ・文化鑑賞会/南足柄市文化会館事業協会/かがPAP財団/みやぎ生活協同組合・こーぷ文化鑑賞
シェイクスピア作品の喜劇の中でも人気の高い作品で、現在も繰り返し上演されています。双子の兄妹が乗った船が嵐で難破し、兄が死んだと思った妹のヴァイオラは、男装して公爵の小姓として仕えます。男装した女性の美しさを勘違いされたことから起きるさまざまなトラブル、その挙句にもつれにもつれた人間関係はてんてこ舞いの状況を生み出します…。
「悲劇」のイメージが強いシェイクスピア作品の中では「ドタバタ喜劇」と言ってもよい程に巧く出来上がっている作品で、平幹二朗、麻乃佳世の二人が、お互いに新たな一面を見せてハジケ切っての大活躍に、客席は爆笑に包まれました。毎日観ている制作スタッフも思わず吹き出す場面が…。
この舞台の成果に一役も二役も買ってくれたのが、ポップな衣裳と斬新な装置。これらの効果も相まって、おかげさまで各地で大好評をいただきました。「今までにはない平幹二朗を観た」という声も多く、新たな役柄や演じ方が作品の面白さと同様にお客様に喜ばれた公演でもありました。「重厚」のイメージがある役者が見せる「軽さ」。そのギャップが、巧く生きた結果、大成功とも言える成果を収めました。
制作する側も、「舞台」は、登場人物だけではなく、スタッフや観客の皆さんの「イキ」が合うとどんどん面白くなり、盛り上がってゆくことを、各地を回りながら体験した舞台でした。演劇が総合芸術である、と言われる由縁を勉強できた作品の一つです。
最大の収穫は、平幹二朗という役者の新しい側面をお客様に発見していただけた舞台だった、ということでしょうか。
鵜山 仁(演出家)
1999年『十二夜』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
演出:鵜山 仁
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | マルヴォーリオ |
麻乃佳世 | ヴァイオラ |
山本郁子 | オリヴィア |
丹羽貞仁 | セバスチャン |
淵野俊太 | オーシーノー |
東冨士郎 | ヴァレンタイン/神父 |
藤川三郎 | 役人1 |
廣田高志 | アントニー |
水戸野雅代 | 侍女 |
岡田典丈 | キューリオ/役人2 |
ミケランジェロ・タイラー | 船長 |
高橋耕次郎 | サー・アンドルー |
佐古正人 | サー・トービー |
松橋 登 | フェステ |
後藤加代 | マライア |
坂本長利 | フェービアン |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:1999年5月~8月
主催:
幹の会+リリック/北アルプス市民劇場/こまがね演劇鑑賞会/長野市民劇場/上田市民劇場/松戸演劇鑑賞会/大宮演劇鑑賞会/ふなばし演劇鑑賞会/三多摩演劇をみる会/舞芸センター・がくやの会/すわ湖市民劇場/伊那市民劇場/松本市民劇場/いいだ市民劇場/いせさき労演/沼田演劇をみる会/前橋労演/秩父演劇鑑賞会/虹の演劇鑑賞会/上越市民劇場/しばた演劇鑑賞会/高崎演劇鑑賞会/柏崎芸術協会/長岡市民劇場/新潟演劇鑑賞会/幡多市民劇場/高知市民劇場/鳴門市民劇場/徳島市民劇場/香川市民劇場/阿南市民劇場/松山市民劇場/西条市民劇場/いまばり市民劇場/名古屋演劇鑑賞会/多摩えんかん/埼玉市民劇場/町田演劇鑑賞会/ちば演劇を見る会
前年の上演で大好評をいただいた『十二夜』を、一部のキャストを入れ替えて、お邪魔することができなかった地域の演劇鑑賞会での上演となりました。「再演」はどんな場合でも嬉しいものですが、まさに「間髪を入れず」というタイミングでの再演は、まだ前の舞台の熱気や興奮を身体や心のどこかに埋み火のように残したまま、となり、舞台も客席も大いに盛り上がりました。
演劇鑑賞会を回る旅は、行程が進むに従い、作品の評判が先々の公演地に伝わっています。奥のお客様から「楽しみにしていました!」との声をいただくと、メンバー一同大いに盛り上がって舞台に臨みます。この相乗効果がもたらす舞台の変化も、演劇鑑賞会の公演ならではのもの、と言えます。
ふなばし演劇鑑賞会
大宮演劇鑑賞会
松山市民劇場
虹の演劇鑑賞会
2000年『シラノ・ド・ベルジュラック』
作:エドモン・ロスタン
訳:辰野 隆・鈴木信太郎
演出:鵜山 仁
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | シラノ・ド・ベルジュラック |
剣 幸 | ロクサアヌ |
渕野俊太 | クリスチャン・ド・ヌーヴィレット |
佐野圭亮 | ド・ヴァルヴェエル子爵/青年隊/菓子職人 |
廣田高 | カルボン/リニエール |
高橋耕次郎 | うるさい男/青年隊 |
大谷美智浩 | モンフルウリイ/青年隊/修道僧/菓子職人 |
水戸野雅代 | リイズ/教妹クレエル/小姓 |
杉本美穂 | 教妹マルト/物売り娘/楽士 |
岡田典丈 | 近衛銃騎兵/青年隊/掏摸 |
才木清英 | ベルローズ/侯爵/楽士/青年隊 |
山口太郎 | キュイジイ/菓子職人 |
佐古正人 | 伯爵ド・ギッシュ |
深沢 敦 | ラグノオ |
後藤加代 | ロクサアヌの腰元/教母マルグリット |
勝部演之 | ル・ブレ |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:2001年1月~4月
主催:
幹の会+リリック/演劇をみる会「あさかわ」/埼玉市民劇場/板橋演劇鑑賞会/函館演劇鑑賞会/苫小牧演劇鑑賞会/滝川演劇鑑賞会/旭川市民劇場/岩見沢演劇鑑賞会/江別演劇鑑賞会/くしろ演劇みたい会/所沢演劇をみる会/ねりま演劇を観る会/名古屋演劇鑑賞会/シアター・ドラマシティ/(財)津山文化振興財団/道新文化事業社/和歌山演劇鑑賞会/泉南演劇鑑賞会/岸貝演劇鑑賞会/紀北演劇鑑賞会/ひこね演劇鑑賞会/姫路市民劇場/青森演劇鑑賞協会/八戸市民劇場/秋田演劇鑑賞会/盛岡演劇鑑賞会/弘前市民劇場/十和田演劇鑑賞会/福島演劇鑑賞会/郡山演劇鑑賞会/須賀川演劇鑑賞会/(財)葛飾区文化振興財団/長野市民劇場/松本市民劇場
「哲学者・詩人・剣豪・音楽家と多くの才能を持ちながら、『鼻が大きい』」という容姿のコンプレックスに悩み、恋した人に本心を打ち明けることができない男・シラノ。想い人・ロクサーヌの気持ちは、二枚目で鳴らしたクリスチャンに向いています。ロクサーヌのために、戦友で恋敵でもあるクリスチャンが書いたように見せた恋文を窓辺で朗読して聞かせるシラノ。しかし、クリスチャンは戦場で命を落としてしまい、ロクサーヌは修道院で哀しみと共に静かに日々を送っています。クリスチャンの死から15年、夕刻、かつて自分に愛を語った声が聞こえて来ました…。
何とも切ない大人の純情な恋物語。シラノは、台詞に自信がないとできない役であり、幕切れ近く、重傷を負いながらもロクサーヌへの想いを言葉にする場面は有名で、俗に「修道院の場」とも呼ばれています。ところでこの「シラノ・ド・ベルジュラック」、実在の人物だった、のをご存知でしょうか。作者のエドモン・ロスタン(1868~1918)がモデルにした人物の設定とはいささか違う生涯を送ったようですが、1655年に36歳の若さで生涯を閉じ、モリエールなどの文豪とも交流があった人物のようです。
西欧の古典演劇に漂う詩情が好評を博した、切ない大人の恋物語。人を想う心情は洋の東西や時代を問わないのだ、ということを改めて感じさせてくれる芝居になりました。
佐藤万里(演出助手)
ねりま演劇を観る会
2001年『冬物語』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
演出:平幹二朗
出演 | (配役) |
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平幹二朗 | リオンティーズ/時 |
勝部演之 | カミロー/貴族 |
西本裕行 | アンティゴナス/紳士3 |
高橋耕次郎 | クリオミニーズ/召使い |
廣田高志 | ダイオン/客 |
鍛治直人 | 兵士/紳士/従者/客 |
渕野俊太 | ポリクシニーズ/貴族 |
大場泰正 | フロリゼル/貴族 |
坂本長利 | 老羊飼い/アーキデマス |
深沢 敦 | 道化/淑女 |
松橋 登 | オートリカス/役人 |
前田美波里 | ハーマイオニ/ジプシー女 |
麻乃佳世 | パーディタ/マミリアス/淑女 |
後藤加代 | ポーリーナ/客 |
水戸野雅代 | エミリア/ドーカス |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:2001年9月~12月
主催:
幹の会+リリック/津演劇鑑賞会/大垣演劇鑑賞会/岐阜勤労者演劇協議会/なのはな演劇鑑賞会/いせ演劇鑑賞会/四日市演劇鑑賞会/名古屋演劇鑑賞会/いなざわ演劇鑑賞会/多治見で芝居を観る会/岡崎演劇鑑賞会/尾北演劇鑑賞会/ちりゅう芸術創造協会/となみ演劇鑑賞会/金沢市民劇場/七尾市民劇場/富山演劇鑑賞会/高岡演劇鑑賞会/魚津演劇鑑賞会/豊橋演劇鑑賞会/仙台演劇鑑賞会/いわき演劇鑑賞会/宇都宮演劇鑑賞会/生活協同組合コープこうべ/浜松演劇鑑賞協議会/函館演劇鑑賞会/苫小牧演劇鑑賞会/江別演劇鑑賞会/滝川演劇鑑賞会/旭川市民劇場/くしろ演劇みたい会/(財)山口市文化振興財団/(株)ピクニック/(財)飯塚市教育文化振興事業団/静岡県立浜松南高等学校/上越市民劇場/柏崎芸術協会/沼田演劇をみる会/前橋労演/新潟演劇鑑賞会/しばた演劇鑑賞会/ちば演劇を見る会/(財)葛飾区文化振興財団/新神戸オリエンタル劇場
シチリアの王・リオンディーズは、訪ねて来た親友のボヘミア王・ポリクシニーズが、自分の妻・ハーマイオニと不倫をしていると誤解し、臣下のカミローに毒殺を命じます。しかし、ポリクシニーズの無実を知っていたカミローは、ポリクシニーズを逃がします。その事実を知ったリオンディーズは激怒しますが…。
タイトルとは裏腹に、ふとした勘違いが巻き起こすコメディで、幕切れにはすべてが丸く収まります。ボタンの掛け違えから変わり始める運命を、平・前田・麻乃の三枚看板が揃っての充実した舞台は、好評をいただき、4年後に再演、というラッキーな作品でもありました。
また、この舞台は「演出家・平幹二朗」初登場の舞台ともなりました。自らが主役を演じながら、舞台全体をまとめる演出家としての俯瞰的な視野をも持ち合わせていなくてはならず、大変な役目です。「名優」とは、自らの演技に没入すると同時に、演じている自分をどこかで客観的に見る冷静な眼をも持っていなくてはならない、と言われています。
その点で、主演・演出の二つの大きな役割を見事に果たし、改めて「名優」ぶりを発揮した舞台でもありました。
上田市民劇場
2002年~2003年『リア王』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
演出:平幹二朗
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | リア |
新橋耐子 | ゴネリル |
渕野俊太 | オールバニ公爵 |
廣田高志 | オズワルド |
一色彩子 | リーガン |
藤木 孝 | コーンウォール公爵 |
小林さやか | コーディーリア |
荒川大三郎 | フランス王/コーンウォールの召使い |
丹羽貞仁 | バーガンディー公爵/兵士 |
鳥畑洋人 | 兵士/他 |
茶花健太 | 兵士/他 |
水戸野雅代 | 女 |
坂本長利 | グロスター伯爵 |
原 康義 | エドガー |
平 岳大 | エドマンド |
勝部演之 | ケント伯爵 |
西本裕行 | 道化 |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:2002年7月~2003年2月
主催:
横須賀演劇鑑賞会/藤沢演劇鑑賞会(鎌倉演劇鑑賞会)/海老名演劇鑑賞会/藤沢演劇鑑賞会(茅ヶ崎演劇鑑賞会)/厚木演劇鑑賞会/藤沢演劇鑑賞会/ひらつか演劇鑑賞会/相模原演劇鑑賞会/横浜演劇鑑賞協会/高知市民劇場/高知市民劇場(須崎)/徳島市民劇場/鳴門市民劇場/阿南市民劇場/松山市民劇場/いまばり市民劇場/香川市民劇場(丸亀)/香川市民劇場(高松)/福島演劇鑑賞会/八戸市民劇場/青森演劇鑑賞協会/弘前市民劇場/十和田演劇鑑賞会/酒田演劇鑑賞会/山形演劇鑑賞会(天童)/山形演劇鑑賞会(山形)/秋田演劇鑑賞会/仙台演劇鑑賞会(泉)/仙台演劇鑑賞会/盛岡演劇鑑賞会/会津演劇鑑賞会/舞芸センター楽屋の会/いいだ市民劇場/こまがね演劇鑑賞会/伊那市民劇場/尾北演劇鑑賞会/なのはな演劇鑑賞会/いなざわ演劇鑑賞会/岐阜労演/大垣演劇鑑賞会/豊橋演劇鑑賞会/岡崎演劇鑑賞会/いせ演劇鑑賞会/四日市演劇鑑賞会/金沢市民劇場野々市鑑賞会/富山演劇鑑賞会/となみ演劇鑑賞会/高岡演劇鑑賞会/魚津演劇鑑賞会/金沢市民劇場金沢鑑賞会/七尾市民劇場/幹の会+リリック/長野市民劇場/北アルプス市民劇場/すわ湖市民劇場/上田市民劇場/(財)葛飾区文化振興財団/北九州市民劇場/下関市民劇場/直方市民劇場/飯塚市民劇場/田川市民劇場/大分市民劇場/宮崎市民劇場/霧島べいすん演劇鑑賞会/鹿児島市民劇場/ひとよし・くま市民劇場/熊本市民劇場/福岡市民劇場/佐賀市民劇場/長崎 市民劇場/島原市民劇場/大村諫早市民劇場/佐世保市民劇場
1997年に上演し、好評を博したシェイクスピアの『リア王』。キャストを一部変更しての再演は、年をまたいで2年がかり途中に休憩を挟みながら8か月に及ぶ旅となりました。この舞台は「幹の会」では初めて平幹二朗・平岳大の「親子共演」が実現した作品でもあります。他の舞台では共演の経験はありましたが、各地の演劇鑑賞会を回る旅公演では初の親子共演でした。
初演から5年の歳月を経ての再演は、平幹二朗のリア王の内面の苦悩がさらに深まりを見せ、より濃密な「人間ドラマ」が炙り出され、再度のご好評をいただきました。舞台は何度上演しても、二度として同じ物はありません。しかし、こうして回を重ねられることの喜びは、代え難い物があります。何度上演しても、作り手を含めた多くの人々に新しい発見をさせてくれる、舞台の魅力はそんなところにあるのかもしれません。
直方市民劇場
飯塚市民劇場
2004年『オイディプス王』
作:ソポクレス
訳:福田恆存
演出:平幹二朗
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | オイディプス テバイの王 |
鳳 蘭 | イオカステ その后 |
原 康義 | クレオン イオカステの弟 |
渕野俊太 | コリントスの使者/コロス |
深沢 敦 | ゼウスの祭司/コロス |
廣田高志 | コロス |
桜井 章 | 踊る男 祭司の弟子/コロス |
水戸野雅代 | コロス |
三木麻衣子 | コロス |
後藤加代 | 女 報告者/コロス |
藤木 孝 | テイレシアス 盲目の予言者/コロス |
坂本長利 | テバイの羊飼い/コロス |
茶花健太 | 稽古場 オイディプス王代役 |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:2004年7月~11月
主催:
財団法人葛飾区文化国際財団/ちば演劇を見る会/大垣演劇鑑賞会/四日市演劇鑑賞会/いせ演劇鑑賞会/岡崎演劇鑑賞会/なのはな演劇鑑賞会/多治見で芝居を観る会 /津演劇鑑賞会/岐阜勤労者演劇協議会/豊橋演劇鑑賞会/いなざわ演劇鑑賞会/尾北演劇鑑賞会/名古屋演劇鑑賞会/高岡演劇鑑賞会/金沢市民劇場/金沢市民劇場野々市鑑賞会/となみ演劇鑑賞会/魚津演劇鑑賞会/富山演劇鑑賞会/舞芸センター「かぐやの会」/島田市民劇場/磐田演劇鑑賞会/浜北市民劇場/浜松演劇観賞協議会/藤枝市民劇場/NPO法人静岡市民劇場/掛川演劇鑑賞会/清水市民劇場/伊東市民劇場/下田市民劇場/富士宮市民劇場/伊豆市民劇場/沼津市民劇場/NPO法人富士市民劇場/いせさき演劇鑑賞会/沼田演劇をみる会/虹の演劇鑑賞会/宇都宮演劇鑑賞会/しばた演劇鑑賞会/前橋勤労者演劇協議会/高崎演劇鑑賞会/新潟演劇鑑賞会/生活協同組合コープこうべコープ文化鑑賞会/シアタードラマシティ/(株)テレビ朝日
「幹の会」では初のギリシャ悲劇です。紀元前420年頃に書かれた作品ですが、主人公のオイディプスが、男性として母親に憧れを持ち父親を憎むというドラマの構造は、精神学者・フロイト(1856~1939)により名づけられた「エディプス・コンプレックス」の語源ともなっています。
神のお告げである「神託」が人生に大きな影響を与えていた時代に、「両親を殺し、母との間に子を成す」との神託通りになったオイディプスは、自分で目を傷つけ、盲目となります。自分がもしも死んだ時、あの世で両親に合わせる顔がない、と考えるオイディプスの目は、現実世界を直視することにも耐えられなかったのでしょう。2400年も前に書かれた悲劇が、現代にも通じる部分をいくつも持っている、のも演劇の魅力ではないでしょうか。
「幹の会」では、一つの公演の千秋楽を迎えると同時に「次は何を上演しようか」との打ち合わせが始まります。今までに喜んで迎えていただいた作品、平さんやプロデューサーの構想にある作品。それらの中のどれが、お客様に喜んでいただけるか、それを第一に考え、誰がどの役を演じればよいか、どんな舞台装置や衣裳にするか、山のような宿題が出て来ます。その実現に向けて、新たなスタートを歩み始めるのが、毎回の楽しみと苦しみでもあるのです。この繰り返しで、20年間にわたって、「手作り」の芝居をお届けすることができました。
2005年『冬物語』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
演出:平幹二朗
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | リオンティーズ/時 |
勝部演之 | カミロー/貴族 |
有馬光貴 | アンティゴナス/紳士 |
高橋広司 | クリオミニーズ/召使い |
廣田高志 | ダイオン/客 |
右門青寿 | 兵士/貴族/客 |
茶花健太 | 伝令/貴族 |
渕野俊太 | ポリクシニーズ/貴族 |
城全能成 | フロリゼル/貴族 |
坂本長利 | 老羊飼い/アーキデマス |
深沢 敦 | 道化/淑女 |
松橋 登 | オートリカス/役人 |
前田美波里 | ハーマイオニ/ジプシー女 |
小林さやか | パーディタ/マミリアス/淑女 |
後藤加代 | ポーリーナ/客 |
水戸野雅代 | エミリア/ドーカス |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:2005年1月~6月
主催:
周南市民劇/柳井演劇鑑賞会/呉市民劇場/尾道市民劇場/広島市民劇場(安佐南)/広島市民劇場/鳥取演劇鑑賞会/米子市民劇場/いずも演劇鑑賞会/松江市民劇場/福山市民劇場/倉敷演劇鑑賞会/倉敷演劇鑑賞会 玉島事務所/岡山市民劇場 西大寺事務所/岡山市民劇場/児島演劇鑑賞会/厚木演劇鑑賞会/海老名演劇鑑賞会/茅ヶ崎演劇鑑賞会/横須賀演劇鑑賞会/相模原演劇鑑賞会/藤沢演劇鑑賞会/鎌倉演劇鑑賞会/横浜演劇鑑賞協会/須賀川演劇鑑賞会/会津演劇鑑賞会/福島演劇鑑賞会/郡山演劇鑑賞会/川崎市民劇場(幸)/川崎市民劇場(多摩)/川崎市民劇場(中原)/川崎市民劇場(宮前)/ひらつか演劇鑑賞会/大宮演劇鑑賞会/盛岡演劇鑑賞会/秋田演劇鑑賞会/山形演劇鑑賞会/酒田演劇鑑賞会/鶴岡市民劇場/山形演劇鑑賞会(天童)/八戸市民劇場/十和田演劇鑑賞会/青森演劇鑑賞協会/弘前市民劇場/まつもと市民劇場/伊那市民劇場/すわ湖市民劇場/長野市民劇場/上田市民劇場/いまばり市民劇場/松山市民劇場/徳島市民劇場/鳴門市民劇場/高知市民劇場/香川市民劇場(高松)/香川市民劇場(丸亀)/阿南市民劇場/幹の会+リリック/ふなばし演劇鑑賞会/演劇をみる会あさかわ/埼玉市民劇場/松戸演劇鑑賞会/三多摩演劇をみる会
2001年に上演した『冬物語』の再演です。評判が良くなければ再演はできませんが、その分、お客様の期待も高くなっています。
前回よりもクオリティの高い舞台を見せてこそ、「再演」の意義があります。
一人でも多くのお客様に、「面白い芝居だった」と言っていただくのは、芝居に関わる者の願いですが、再演の場合は作品に関わらずそのハードルが高くなります。
それをクリアするための苦労を苦労と思わず、楽しみにできるかどうか。
これが「舞台」が持つ「魔性」の一つなのかもしれません。
ふなばし演劇鑑賞会
松江市民劇場
倉敷演劇鑑賞会
徳島市民劇場
2007年『オセロー』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:小田島雄志
演出:平幹二朗
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | オセロー |
平 岳大 | イアーゴー |
三田和代 | デズデモーナ |
渕野俊太 | ロダリーゴー |
大滝 寛 | キャシオー |
廣田高志 | ヴェニスの公爵・兵士・コロス |
高橋広司 | モンターノー・コロス |
荒川大三郎 | 兵士・コロス |
松井 茜 | 女 |
宮原美文 | 女 |
藤本 道 | 兵士・コロス |
西山水木 | エミリア |
勝部演之 | ロドビーゴー |
榛名由梨 | ビアンカ |
坂本長利 | ブラバンショー/グレーシアーノー |
茶花健太 | 稽古場 オセロー代役 |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:2006年9月~2007年4月
主催:
伊東市民劇場/夢すていじいず/伊豆市民劇場/NPO法人富士市民劇場/沼津市民劇場/富士宮市民劇場/NPO法人静岡市民劇場/清水市民劇場/藤枝市民劇場 /島田市民劇場/磐田演劇鑑賞会/掛川演劇鑑賞会/浜松北市民劇場/浜松演劇鑑賞会/八戸市民劇場/山形演劇鑑賞会(山形)/山形演劇鑑賞会(天童)/秋田演劇鑑賞会/弘前市民劇場/盛岡演劇鑑賞会/仙台演劇鑑賞会/仙台演劇鑑賞会・泉/幹の会+リリック/香川市民劇場(丸亀)/徳島市民劇場/阿南市民劇場/香川市民劇場(高松)/鳴門市民劇場/高知市民劇場/高知市民劇場(須崎)/いまばり市民劇場/松山市民劇場/新潟演劇鑑賞会/宇都宮演劇鑑賞会/前橋勤労者演劇協議会/北九州市民劇場/下関市民劇場/福岡市民劇場/大分市民劇場/別府市民劇場/飯塚市民劇場/田川市民劇場/直方市民劇場/鹿児島市民劇場/宮崎市民劇場/都城市民劇場/熊本市民劇場/ひとよし・くま市民劇場/佐賀市民劇場/佐世保市民劇場/長崎市民劇場/大村諫早市民劇場/島原市民劇場/大宮演劇鑑賞会/舞芸センター「がくやの会」/いせ演劇鑑賞会/津演劇鑑賞会/名古屋演劇鑑賞会/多治見で芝居を観る会/大垣演劇鑑賞会/岡崎演劇鑑賞会/四日市演劇鑑賞会/なのはな演劇鑑賞会/いなざわ演劇鑑賞会/尾北演劇鑑賞会/岐阜勤労者演劇協議会/豊橋演劇鑑賞会/魚津演劇鑑賞会/富山演劇鑑賞会/高岡演劇鑑賞会/となみ演劇鑑賞会/金沢市民劇場/金沢市民劇場野々市鑑賞会
1995年の「幹の会」第一回公演で『オセロー』を上演しましたが、これは再演ではなく、キャスト・スタッフを一新し、「演出:平幹二朗」での上演となりました。この『オセロー』では、オセローの宿敵・イアーゴーを平岳大が演じ、見せ場はフラメンコのタップに乗せて、という演出が斬新だったのを記憶しています。
出演(配役)者全員がフラメンコのレッスンに汗を流し、その結果が反映された舞台でした。
一つの作品を初日まで持ってゆく間に、多くの作業が待っており、山のような課題を片付けます。
その中で、カンパニーの結束も深まってゆくのです。
仙台演劇鑑賞会
直方市民劇場
飯塚市民劇場
別府市民劇場
2010年『冬のライオン』
作:ジェームズ・ゴールドマン
訳:小田島雄志
演出:高瀬久男
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | ヘンリー二世 |
麻実れい | エレノア・オヴ・アキテーヌ |
三浦浩一 | リチャード |
廣田高志 | ジェフリー |
小林十市 | ジョン |
城全能成 | フィリップ・カペー |
高橋礼恵 | アレー・カペー |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:2010年1月~6月
主催:
幹の会+リリック/多治見で芝居を観る会/大垣演劇鑑賞会/名古屋演劇鑑賞会/なのはな演劇鑑賞会/いなざわ演劇鑑賞会/四日市演劇鑑賞会/幸田演劇鑑賞会 設立準備会/岡崎演劇鑑賞会/豊橋演劇鑑賞会/尾北演劇鑑賞会/岐阜勤労者演劇協議会/津演劇鑑賞会/いせ演劇鑑賞会/魚津演劇鑑賞会//金沢市民劇場/となみ演劇鑑賞会/高岡演劇鑑賞会/富山演劇鑑賞会/北九州市民劇場/下関市民劇場/大分市民劇場/別府市民劇場/飯塚市民劇場/直方市民劇場/田川市民劇場/都城市民劇場/宮崎市民劇場/鹿児島市民劇場/ひとよし・くま市民劇場/熊本市民劇場/佐賀市民劇場/佐世保市民劇場/島原市民劇場/大村諫早市民劇場/長崎市民劇場/福岡市民劇場/郡山演劇鑑賞会/会津演劇鑑賞会/福島演劇鑑賞会/須賀川演劇鑑賞会/秋田演劇鑑賞会/いわき演劇鑑賞会 平事務局/いわき演劇鑑賞会/盛岡演劇鑑賞会/八戸市民劇場/仙台演劇鑑賞会/仙台演劇鑑賞会/山形演劇鑑賞会/天童演劇鑑賞会/十和田演劇鑑賞会/弘前市民劇場/青森演劇鑑賞協会/ちば演劇を見る会
1966年にアメリカ・ブロードウェイで初演された作品で、68年にはピーター・オトゥール、キャサリン・ヘプバーン、アンソニー・パーキンスで映画化もされました。1183年のクリスマスの出来事を舞台化した作品で、登場するイングランド国王ヘンリー、フランス王などは歴史上の実在の人物です。お城に集まった人々、ヘンリーと王妃・エレノア、その3人の息子、それにフランス王フィリップ。人々の中に起きる権力争いや愛憎を描いた作品で、タイトルの『冬のライオン』とはヘンリーのことを指します。
自分の後継者を誰にするか、強大な権力を持ちながらも複雑な家族関係の中で孤独に悩む王の姿が、冬の荒野を彷徨うライオンに例えられたのでしょう。王者といえども、王者だからこその「孤独」。
考えてみると「役者」も孤独な仕事です。自分の役をどう演じるか、その答えは悩み、苦しみ抜いた果てに自分で出すしかありません。また「何点」という明快な答えもなく、それが受け入れられるかどうかは、すべて観客に委ねられています。
作品ごとに、この孤独な作業を60年にわたって繰り返し、突然、皆さんの前から姿を消した平幹二朗。今頃は天国で、答えを探さない生活を楽しんでいるのでしょうか。あるいは、天国でも芝居を演じようと、楽しみながら苦しんでいるのでしょうか。
渡邊さつき(演出助手)
飯塚市民劇場
別府市民劇場
2012年『王女メディア』
原作:エウリーピデース
修辞:高橋睦郎
演出:高瀬久男
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | 妻 |
城全能成 | 夫 |
石橋正次 | 乳母/土地の女 |
廣田高志 | 隣国の太守/土地の女 |
有馬眞胤 | 守役/土地の女 |
斉藤祐一 | 夫の家来/土地の女 |
南 拓哉 | 夫の家来/土地の女 |
若松武史 | 女たちの頭 |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:2012年1月~6月
主催:
演劇をみる会「あさかわ」/松戸演劇鑑賞会/埼玉市民劇場/三多摩演劇をみる会/町田演劇鑑賞会/NPO法人 ふなばし演劇鑑賞会/板橋演劇鑑賞会/所沢演劇をみる会/ひこね演劇鑑賞会/京都労演/奈良演劇鑑賞会/姫路市民劇場/神戸演劇鑑賞会/阪和演鑑協 泉南演劇鑑賞会/阪和演鑑協 和歌山演劇鑑賞会/阪和演鑑協 紀北演劇鑑賞会/阪和演鑑協 岸貝演劇鑑賞会/浜松演劇鑑賞会/ねりま演劇を観る会/NPO法人 大宮演劇鑑賞会/NPO法人 大宮演劇鑑賞会/横浜演劇鑑賞協会/川崎市民劇場 溝の口会場/川崎市民劇場 幸会場/幹の会+リリック/横須賀演劇鑑賞会/相模原演劇鑑賞会/NPO法人 藤沢演劇鑑賞会/ひらつか演劇鑑賞会/NPO法人 茅ヶ崎演劇鑑賞会/NPO法人 鎌倉演劇鑑賞会/海老名演劇鑑賞会/北九州市民劇場/下関市民劇場/飯塚市民劇場/直方市民劇場/田川市民劇場/別府市民劇場/大分市民劇場/宮崎市民劇場/都城市民劇場/鹿児島市民劇場/ひとよし・くま市民劇場/熊本市民劇場/福岡市民劇場/佐賀市民劇場/佐世保市民劇場/大村諫早市民劇場/島原市民劇場/長崎市民劇場
『オイディプス王』と同時期、紀元前400年頃に上演されたギリシャ悲劇です。夫に背かれ、嫉妬の塊になったメディアは、夫の新しい相手の王女とその父王を毒殺しただけではなく、我が子二人を自らの手で殺し、天空へと去って行きます。
海外の作品を原語以外の言葉で上演する場合は、日本語への「翻訳」作業が行われますが、この『王女メディア』の台本は、翻訳ではなく、詩人の高橋睦郎さんによる「修辞」の技法で作られたものです。台詞の意味を日本語に訳すのが「翻訳」ですが、「修辞」とは、「言葉を美しく効果的に表現すること」です。ギリシャ悲劇には馴染みのない我々日本人の感性に訴えるために、ギリシャ人の固有名詞ではなく「王」などのわかりやすい一般名詞に置き換えられました。それにより、聞き慣れない人名や地名の理解に煩わされることなく、観客がすんなりとドラマに入ることができるのです。美しい言葉を紡ぐ詩人の高橋さんの美的意識が随所に散りばめられたことが、『王女メディア』のドラマを我々により身近なものにしました。
「一世一代」と銘打ったこの公演は、各地で熱狂的な賞賛を浴び、78歳とは思えぬ元気さで、実に101ステージを演じ、「平幹二朗の『王女メディア』」を不動のものにした舞台となりました。
高橋陸郎(修辞)
村上 湛(演劇評論家)
木村光則(毎日新聞記者)
神戸演劇鑑賞会
鎌倉演劇鑑賞会
ふなばし演劇鑑賞会
直方市民劇場
別府市民劇場
佐世保市民劇場
2015年~2016年『王女メディア』
原作:エウリーピデース
修辞:高橋睦郎
演出:高瀬久男 田尾下 哲
出演 | (配役) |
---|---|
平幹二朗 | 妻 |
山口馬木也 | 夫 |
間宮啓行 | 乳母/土地の女 |
廣田高志 | 隣国の太守/土地の女 |
神原弘之 | 守役/土地の女 |
斉藤祐一 | 夫の家来/土地の女 |
内藤裕志 | 夫の家来/土地の女 |
若松武史 | 女たちの頭 |
企画・製作:幹の会+リリック
公演期間:2015年9月~2016年3月
主催:
立川市地域文化振興財団/倉敷演劇演賞会 玉島事務所/倉敷演劇鑑賞会/尾道市民劇場/児島演劇鑑賞会/西大寺市民劇場/周南市民劇場 柳井演劇鑑賞会/周南市民劇場/岡山市民劇場/いずも演劇鑑賞会/鳥取演劇鑑賞会/米子市民劇場/松江市民劇場/広島市民劇場 安佐南事務所/福山市民劇場/広島市民劇場/呉市民劇場/高知市民劇場/香川市民劇場/松山市民劇場/鳴門市民劇場/徳島市民劇場/いまばり市民劇場/豊橋演劇鑑賞会/岡崎演劇鑑賞会/名古屋演劇鑑賞会/いなざわ演劇鑑賞会/尾北演劇鑑賞会/伊勢演劇鑑賞会/津演劇鑑賞会/四日市演劇鑑賞会/岐阜労演/多治見で芝居を観る会/ちた半島演劇鑑賞会/高岡演劇鑑賞会/魚津演劇鑑賞会/となみ演劇鑑賞会/富山演劇鑑賞会/七尾演劇鑑賞会/金沢市民劇場/幹の会+リリック/郡山演劇鑑賞会/いわき演劇鑑賞会/会津演劇鑑賞会/須賀川演劇鑑賞会/福島演劇鑑賞会/山形演劇鑑賞会/盛岡演劇鑑賞会/秋田演劇鑑賞会/仙台演劇鑑賞会/八戸市民劇場/青森演劇鑑賞協会/函館演劇鑑賞会/旭川市民劇場/くしろ演劇みたい会/江別演劇鑑賞会/水戸芸術館
2012年に高い評価を得た『王女メディア』は、各地のご要望に応える形で、『一世一代、ふたたび』と銘打ち、2015年9月から約半年にわたる旅を続けました。2016年1月、東京グローブ座での公演を挟み、3月に水戸で千秋楽を迎え、これが平幹二朗の「幹の会」での最期の舞台になりました。その舞台姿は多くの方々の脳裏にまだ生きるが如くに刻まれていることでしょう。
「幹の会」との最期の仕事が『王女メディア』であったことは、「運命」としか言いようのない何かを感じます。「今後も演じ続けたい芝居は『王女メディア』だけ」と口にしていた平幹二朗さん。2016年3月6日、水戸での千秋楽の舞台では、本人も満足の行く会心の演技を見せ、平成の演劇界に新たな伝説を作ったとも言えます。今思えば、その姿をDVDで偲ぶことができるのが、残された観客への平さんの最後のプレゼントだったのかもしれません。
(映像) 2016年3月6日(日)水戸芸術館ACM劇場での大千穐楽ダイジェスト(資料映像協力:水戸芸術館
田尾下 哲(演出家)
キミホ・ハルバート(振付)
熊井かず子(付人)
濱田元子(毎日新聞東京学芸部)
中村義裕(演劇評論家)
柳 義男(紀伊國屋サザンシアター初代支配人 )
盛岡演劇鑑賞会
江別演劇鑑賞会
徳島市民劇場