幹の会と株式会社リリックによるプロデュース公演の輝跡

「平さんへ」

駒田 一

 平さん、本当に残念です。
 平さん、もっともっと共演したかったです。
 平さん、平さんの芝居ずっと観てたかったです。
 最初にお会いしたのは、もう二十年くらい前ですかね。
 
あれは『十二夜』でした。
平さんがマルヴォ−リオ。
私がフェステをやらせてもらいました。
とにかく最初の本読みから私は魅了されてました。
机の上に小道具を並べ見事に使いこなし、本読みを越えて、すでに一つの作品になっていました。
その姿を間近に見れた事、いまだに焼き付いてます。
ミュージカル界とはちょっと雰囲気が違う稽古場。
戸惑いながら、苦しみながら、ただひたすらに一生懸命稽古してる私に、いつも優しいお言葉をかけて下さいました。悩んでいる時も、アドバイスを頂きました。
本当にどれだけ救われた事か。
涙涙でした。
 
  地方公演の時に公演後、食事をご一緒した時の事。
私のフェステを物凄く誉めてくださいました。
「駒田さんのフェステ、とっても素敵ですよ。
後、最後に唄う歌。
これまた素晴らしい。
僕もあんな歌、唄いたいなあ!そうだ、違うシェイクスピア作品で道化役がピッタリなんだけどなあ。」
私は涙が止まらなかった。(よく泣くなあ、笑)
 
 その一言一言に重みがあり、私にとって大きな財産です。
一生忘れません。
平さん、あの頃より少しだけ私は成長したと思います。
いやいや、まだまだと怒られるかもしれませんが。
 
 平さん、本当に残念です。
 平さん、もっともっと共演したかったです。
 平さん、平さんの芝居ずっと観ていたかったです。
 
 ごめんなさい、甘えてますね。
 
平さん、ゆっくりお休みくださいね。
天国で又お芝居してくださいね。
 
 そして私がそちらに行ったら是非、共演させてくださいね。
 本当に有難うございました。