「平さんの思い出」
高橋耕次郎
私が言うまでもなく、平さんは、尊敬すべき、目標すべき、大俳優でありました。
幹の会では『メジャーフォーメジャー』『リア王』『十二夜』『シラノ・ド・ベルジュラック』『冬物語』でご一緒させていただき、『冬物語』では演出もしていただきました。
とにかく平さんは、何もかもが大きな人で、“俺はこの役をこう考えました!ご判断願います!”と思い切りぶち当たってみることもできたし、“この役良く分かっていないので、何卒フォロー願います!”と、丸投げの甘えん坊になることもできました。
その都度、ニコニコしてくれる平さん、目玉をひんむいて怒っているであろう平さん。
平さんとお芝居する瞬間は、本当に緊張するやら怖いやらワクワクするやら楽しいやら…。
何もかもどでかい平さんだからこそ、そうなれる自分、そうしてみたい自分がいました。
本当に刺激的で楽しい瞬間でした。
平さん、鍛えていただいて本当に有難うございました。
天国の劇場で、西本裕行大先輩、佐古正人先輩と、『リア王』を演って下さい。
平さんリア王、凄かったです。感服しました。
オズワルド役で平さんリア王に劇場の隅々まで追い回されたこと…今でも鮮明に覚えています。
ほんと怖かったなぁ…。
本当に楽しかったなぁ…。
『シラノ』も演って下さいね。
平さんのシラノ、本当に最高でした。
うるさい男役で平さんシラノに“ほんとにうるさいんだよ、お前は!”と怒鳴られたこと、忘れません。
また怒鳴られたかったなぁ…。
…やっぱ、平さんは“大きい”なぁ…。
平さんのことを書いているとどんどん子供に戻っていく気がする。
今、書いている文章、まるで中学生の感想文みたいだもんなぁ…。
まぁ、いいか…、それだけ平さんは俺にとって、まだまだ全然追いつけない“尊敬すべき大目標”であるわけなのだから。